消滅!?渚ドライブウェイ
千里浜海岸は、波の侵食により10年で約12メートルも侵食されているという報告があります。このままでは、あと15〜20年後には千里浜渚ドライブウェイがなくなってしまうのでは?という危惧が現実になろうとしています。
海岸線を普通の自家用車で走ることができる砂浜は世界でも珍しく、この千里浜以外には、米フロリダ州とニュージーランドの3ヵ所しかないと言われ、この砂浜は世界的にとても貴重な財産です。
海岸線の侵食原因としては、手取川ダム建設による土砂の供給減説や地球温暖化による海水面の上昇説、中国の大河「揚子江」などに大型ダムが完成したためとする説もあるようです。
筆者が2007年8月8日に高齢(駐車場係・60代後半?の男性2名)の方に取材した際、子供の頃には砂浜が感覚的には今の砂浜の3倍以上(5・60mぐらい?)の幅があったそうです。海水浴を楽しんだ後、砂浜が熱く距離があるので足の裏をヤケドしないように急いで走った思い出を語ってくれました。
侵食に対する対策には抜本的な対策と調査が必要です。
沿岸の陸地を守る国土保全の意味でも侵食防止対策は急務であり、環境破壊につながることがないよう慎重にあらゆる角度から専門的に千里浜海岸の保全について検討するため、学識経験者や国及び関係市町による「千里浜海岸保全対策検討委員会」が設立されています。
石川県だけではなく日本国内的にも重要な観光資源という側面もあり、千里浜海岸の保全は極めて大切なことです。昭和59年より年間3〜6000m3の土砂を入れ養浜工法が行われています。しかし、侵食による汀線後退が止まっていません。
打ちあがった小魚をついばむ海鳥
我々の子、孫の代に。
筆者は、子や孫の代にもこの素晴らしい砂浜で楽しんでもらいたいと切に願っています。
たくさんの人に「千里浜なぎさドライブウェイ」の素晴らしさを知って楽しんでいただきたい、そして貴重な砂浜を侵食から守るために考えていただけるように当サイトが少しでも貢献できることを願って制作しています。
ここで「消えゆく奇跡の砂浜」という乱暴なキャッチコピーをつけてしましましたことをお詫び申し上げます。侵食防止に関わる方々は気分を害されたことでしょう。
1人でも多くの方に「千里浜なぎさドライブウェイ」の危機を知っていただきたいという思いがこのようなコピーになりました。侵食による砂浜の縮小・消滅が自然の摂理なのであればしょうがないことなのかも知れませんが、我々人間による自然破壊が要因になっているのであれば、この世界的財産を孫の代だけではなく、永遠に守り伝えていきたいと願っています。
※2006年7月13日放送のNHK「クローズアップ現代」でも取り上げられたそうです。